眠れないのは「本人のせい」ではありません
家族が「眠れない」と苦しんでいる様子を見ると、心配になったり、どう接すればいいのか悩んだりしますよね。
つい「考えすぎじゃない?」「もっと早く寝なよ」と言ってしまったことがあるかもしれません。
でも、不眠症は気の持ちようではなく、心や体が悲鳴を上げている状態です。
この記事では、不眠に悩む家族への理解と接し方をやさしく解説し、家族としてできるサポートのヒントをお届けします。
まず理解しておきたい「不眠症」とは?
不眠症とは、十分な睡眠時間や環境が整っているのに、眠れない・眠りが浅いなどの問題が続く状態です。
次のような状態が、週3回以上・1ヶ月以上続くと「不眠症」と診断されることがあります。
- 寝つきが悪い(入眠困難)
- 夜中に何度も目覚める(中途覚醒)
- 朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)
- 眠った気がしない(熟眠障害)
眠れない苦しみは、日中の集中力低下・イライラ・抑うつ状態・体調不良など、あらゆる影響をもたらします。
だからこそ、「自分ではどうにもならないこともある」という前提で接することがとても大切です。
よかれと思って言っていませんか?NGになりやすい言葉
不眠に悩んでいる家族に対して、こんな言葉をかけたことはありませんか?
- 「考えすぎじゃない?」
- 「そんなに悩むことないよ」
- 「スマホをやめれば眠れるでしょ?」
- 「○○はぐっすり寝てるよ。なんであなただけ…?」
- 「昼寝するから夜眠れないんじゃない?」
これらの言葉は、相手を責めているつもりがなくても、無意識にプレッシャーを与えることがあります。
「分かってもらえない」という孤独感は、不眠をさらに悪化させる要因になってしまうのです。
家族ができる「理解」と「サポート」
1. 「眠れないつらさ」を否定しない
「つらかったね」「それはしんどいよね」と、まずは気持ちに寄り添うことが大切です。
解決策を提案する前に、話を“ただ聴く”ことが、最も効果的なサポートになることもあります。
2. 「良かれと思って」のアドバイスは慎重に
睡眠改善の情報はあふれていますが、相手にとって正解とは限らない場合も。
「こうしてみたら?」と伝える際も、「どう思う?」と相談するような姿勢が望ましいです。
3. 生活リズムを一緒に整える
不眠症の方は、一人で生活改善を続けることが難しいこともあります。
朝日を一緒に浴びる、食事を決まった時間にする、音楽を聴いてリラックスするなど、一緒にできるルーティンを作ってみると良いかもしれません。
4. 「話しかけすぎない」ことも大事
相手が極度に神経が高ぶっているときは、声をかけるだけでもストレスになることがあります。
そんなときは、そっと飲み物を置くだけ、静かな音楽を流すだけでも十分なサポートになります。
こんなサインがあれば、医療機関への相談も
以下のような状態が長く続いている場合は、専門機関への相談も検討しましょう。
- 日中の強い眠気・集中力低下が続いている
- 気分の落ち込みが強く、涙もろくなっている
- 体調不良(胃腸の不調、食欲不振、倦怠感など)が出ている
- 「死にたい」「消えたい」などの発言がある
早めの受診や相談は、回復への近道になります。
「こんなことで相談していいの?」と思わず、本人がためらっているときほど、家族の声かけが必要かもしれません。
家族のあなたも、無理をしすぎないで
不眠に悩む家族を支えることは、とても尊いことです。
でも、支える側が疲弊してしまうと、共倒れになることもあります。
家族を想う気持ちと同じくらい、あなた自身の心と体のケアも大切にしてください。
誰かの眠れない夜に寄り添うためにも、あなたの中にも“安心できる場所”があることが大事です。
まとめ|一緒に眠りを整えていくという選択肢
不眠症は、本人だけでなく、家族も巻き込む“生活全体の課題”です。
「どうして眠れないの?」ではなく、「どうしたら一緒に楽になれるかな?」と考えてみる。
そんなふうに、歩幅を揃えていくことが、最も心強い支えになるはずです。
このサイトでは、不眠と向き合うためのヒントや音楽の力もご紹介しています。
家族の不眠に悩むあなた自身も、少しずつ心を軽くできるよう、情報を届けていきますね。
あわせて読みたい|不眠症の全体像をやさしく解説した記事
「不眠症ってどんな状態?」という基礎から知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
お金もかからず、今夜から試せる方法としてはYouTube音楽があります。
眠れなくてお悩みの方は、気軽に試してみてください。
