「日本人って、本当に不眠が多いの?」という疑問から
世界中で不眠に悩む人は年々増えていますが、その中でも特に「日本人は眠れていない」と言われることが多くあります。
朝の通勤電車で寝ている人、仕事中にうとうとしてしまう人、夜遅くまでスマホを見ている人――。
果たしてこれは、世界的にも珍しい現象なのでしょうか?
それとも、実はどこの国でも似たような状況なのでしょうか?
この記事では、日本人の不眠率に関する客観的なデータをもとに、他国との違いを比較しながら、その背景や対策のヒントをお届けします。
厚生労働省などの調査による「日本の不眠率」
まずは、日本国内での不眠症の実態を見ていきましょう。
厚生労働省が行っている「国民健康・栄養調査」によれば、
日本人の約5人に1人(約21〜24%)が、何らかの不眠の症状を抱えているという結果が出ています。
「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」「眠りが浅い」「早朝に目覚めてしまう」といった悩みを持つ人が多く、特に40代以降の男女においてその傾向が強まるとされています。
また、慢性化して医療機関に通っている人も少なくなく、不眠症は日本人にとって非常に身近な問題となっています。
世界と比較したときの日本人の睡眠時間
OECD(経済協力開発機構)の調査では、加盟国の平均睡眠時間ランキングが公開されています。
このデータによると、日本人の平均睡眠時間は、
- フランス:約8時間50分
- アメリカ:約8時間40分
- イギリス:約8時間30分
- 韓国:約7時間40分
- 日本:約7時間22分(最下位)
つまり、日本はOECD諸国の中でも“もっとも睡眠時間が短い国”なのです。
しかもこの数字は平日・休日を含めた平均値であり、仕事のある日はさらに短くなっていることが予想されます。
なぜ日本人は眠れないのか?その背景にある文化と働き方
日本人の不眠率の高さは、単なる生活習慣だけでなく、文化的背景や社会構造にも深く関係しています。
1. 長時間労働と残業文化
日本では「頑張ること=美徳」という文化が根強く、労働時間が長くなりがちです。帰宅時間が遅くなることで、就寝時間もどんどん後ろ倒しになっていきます。
2. 通勤時間の長さ
首都圏などでは片道1時間以上の通勤も珍しくなく、通勤時間がそのまま「自由時間」や「睡眠時間」を圧迫しているケースが多いのです。
3. 夜型社会とデジタル依存
24時間営業の店、深夜のテレビ、SNSやスマホアプリ――。
刺激の強い情報に囲まれ、眠りに入るための“脳のクールダウン”ができないまま夜を迎える人も少なくありません。
日本人の不眠と海外の違いをどう見るか?
もちろん、他国にも不眠に悩む人はいますが、文化的に「休むこと」に対する意識の違いが見られます。
たとえばフランスでは「睡眠や食事は人生の大切な時間」という考えが根づいており、仕事のために睡眠を犠牲にするという価値観はあまり一般的ではありません。
アメリカではメンタルケアの専門家にアクセスしやすく、睡眠外来やオンライン治療などのサービスが発達しています。
日本人は「眠れないけど我慢する」傾向が強く、対処が後回しになりやすいのです。
眠りを見直すヒント|数字を“自分ごと”に落とし込む
ここまで見てきたデータはあくまで全体の傾向ですが、自分の生活にどれだけ当てはまるか?を意識することが大切です。
「最近スマホの時間が増えてるな」「仕事で帰りが遅いな」など、ちょっとした習慣のズレが積み重なって不眠につながっているかもしれません。
対処の第一歩は、数字を眺めて終わるのではなく、「じゃあ私はどう整えていこうか」と考えることです。
まとめ|不眠率の比較から見えてくる、日本の課題とヒント
日本人は、世界的に見ても睡眠時間が短く、不眠症に悩む人が多い国です。
その背景には、長時間労働・通勤・夜型社会・“我慢する文化”といった、さまざまな要因が影響しています。
けれども、この記事を読んだ今が、眠りと向き合う第一歩になるかもしれません。
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あなたの眠りが、少しでもやさしいものになりますように。
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