「不眠症って、○○だよね?」という誤解に気をつけて
「不眠症って、眠れないだけでしょ?」「気にしすぎじゃない?」——そんな声を聞いたことがあるかもしれません。
でも実際には、不眠症は単なる寝不足とは異なり、心や体に大きな影響を与える“睡眠障害”のひとつです。
誤解や偏見があると、本人も周囲も適切な対処ができなくなってしまいます。
この記事では、不眠症にまつわる代表的な誤解と、その正しい知識をわかりやすくまとめました。
よくある誤解①「寝てないアピール」「怠けてるだけ」
不眠に悩んでいる人が「最近眠れなくて……」と話すと、「大げさ」「頑張ってないだけ」と受け取られてしまうことがあります。
しかし、不眠症は本人の努力や気合いだけではどうにもならない症状です。
眠ろうとしても眠れない。体は疲れているのに、頭が冴えて止まらない。
そんなつらさを抱えながらも、日中の仕事や学業をこなしている人が多いのです。
よくある誤解②「薬を飲めばすぐ治る」
睡眠薬や安定剤を使えば、不眠症はすぐに解消できると思われがちですが、それも誤解のひとつです。
確かに薬は眠りをサポートしてくれますが、不眠の根本的な原因(ストレス・生活リズム・精神的な要因など)が解消されない限り、根治にはつながりません。
さらに、自己判断で薬を増やしたり、市販薬に頼り続けるのはリスクもあります。
よくある誤解③「昼寝してるんだから眠れてる」
「昼間うとうとしてたんでしょ?じゃあ眠れてるじゃない」と言われることもあるかもしれません。
しかし、日中の眠気は夜に十分な睡眠がとれていないサインでもあります。
昼寝が多くなると、夜の眠りがさらに浅くなる悪循環に陥ることも。
眠気のピークを日中に感じるのは、睡眠の質・量の低下が背景にある可能性が高いのです。
よくある誤解④「不眠症は高齢者だけのもの」
「歳をとったら眠れなくなるんだよ」といった言葉があるように、不眠は高齢者に多いというイメージがあります。
しかし、実際には働き盛りの20代〜50代の不眠率も非常に高いというデータがあります。
ストレスや過労、人間関係、将来の不安など、心に負担を抱える人ほど、年齢に関係なく不眠に陥りやすいのです。
よくある誤解⑤「寝酒で眠れるなら問題ない」
「眠れないからお酒を飲む」「少し酔えば寝られる」という方もいます。
たしかにお酒には一時的なリラックス効果がありますが、アルコールは眠りの質を下げ、夜中に目覚めやすくするという明確な研究結果があります。
継続的な寝酒は依存性のリスクも高く、睡眠リズムを崩す原因にもなります。
不眠に対する誤解がもたらす“二次的な苦しみ”
誤解があると、本人は「自分が弱いせいだ」と自責の念に陥ったり、周囲の無理解に傷ついたりしてしまいます。
その結果、誰にも相談できずに苦しみを抱え込み、孤立してしまうこともあります。
だからこそ、「不眠症は誰にでも起こりうる症状」だという正しい理解が広まることが大切です。
正しい知識を持つことで、眠りの選択肢が広がる
不眠症に関する正しい知識があれば、
- 早期に気づくことができる
- 自分に合った対処法を選べる
- 医療機関や周囲の支援を受けやすくなる
これは、本人にとっても、周囲の人にとっても大きなメリットになります。
まとめ|「思い込み」に気づけたら、不眠との向き合い方が変わる
「自分が悪い」「怠けてると思われたらどうしよう」——そんな思い込みに縛られる必要はありません。
不眠症は、本人のせいではなく、環境や体・心の反応が自然に引き起こしているものです。
正しい知識をもとに、自分や周囲を責めずに済むようになれたら、少し心が軽くなるはずです。
あわせて読みたい|不眠症の全体像をやさしく解説した記事
「不眠症ってどんな状態?」という基礎から知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
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