「また目が覚めた…」夜中に繰り返す目覚め、その原因は?
「毎晩2時や3時になると決まって目が覚めてしまう」
「トイレに起きた後、そのまま眠れなくなる」
そんな夜を、何度も経験していませんか?
一度眠れたはずなのに、深夜にパッと目が覚めてしまい、その後しばらく眠れない──このような状態は中途覚醒と呼ばれます。
中途覚醒は睡眠の質を低下させる大きな原因であり、放っておくと日中の集中力低下や慢性疲労へとつながることもあります。
この記事では、夜中に目が覚めてしまう主な原因と、それぞれに応じた見直しポイントをわかりやすく解説していきます。
よくある原因①|ストレス・不安・考えごとによる「心の覚醒」
夜中に目が覚めてしまう原因として、もっとも多いのが精神的なストレスや思考の過活動です。
たとえば:
- 翌日の仕事や学校が気になってしまう
- 将来やお金の不安がふと頭に浮かぶ
- 日中にあった嫌なことを思い返してしまう
このような状態では、眠っていても交感神経が優位になりやすく、小さな刺激でも覚醒しやすくなります。
なぜ「夜中」に限って考えすぎてしまうのか?
昼間と違い、夜中はまわりが静かで刺激も少ないため、頭の中の思考が暴走しやすくなるのです。
これは誰にでも起こる自然な反応ですが、寝室=考えごとの場所と脳が覚えてしまうと、習慣的な覚醒が定着してしまいます。
対策ポイント
- 「考えたくなる前」に深呼吸やアロマで心を落ち着ける
- 寝る前にスマホや仕事をやめ、思考を鎮める時間を設ける
- モヤモヤがあるときはメモ帳に書き出しておく
ストレスの根本解決は難しくても、「脳に夜を知らせる習慣」は今からでも作れます。
よくある原因②|ホルモンバランスや加齢による「体の変化」
加齢とともに睡眠が浅くなった、夜中に何度も目が覚めるようになった──そんな変化を感じたことはありませんか?
これは単なる気のせいではなく、身体内部のホルモン分泌の変化や、加齢による生理的な変化が深く関係しています。
メラトニンの分泌量が減る
睡眠を促すホルモン「メラトニン」は、加齢とともに分泌量が減少します。
特に40代以降ではメラトニン分泌が大きく低下するため、睡眠が浅くなり、夜中に覚醒しやすくなるのです。
女性の場合:更年期のホルモン変動
女性ホルモン(エストロゲン)の急激な変動も、睡眠障害の引き金になります。
更年期に入ると、体温調節の乱れや不安感が強まり、夜中の覚醒が起こりやすくなります。
高齢になると、睡眠サイクルそのものが変化する
年齢を重ねると、深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間が減少します。
その結果、浅い睡眠中にちょっとした刺激で目覚めるリスクが高まります。
対策ポイント
- 夜に光(特にスマホのブルーライト)を避け、メラトニン分泌を妨げない
- 朝起きたら太陽光をしっかり浴びる(体内時計を整える)
- 更年期の不眠は婦人科・心療内科でも相談可能
「年のせいだから仕方ない…」と諦めず、ホルモンと上手に付き合う工夫を取り入れていきましょう。
よくある原因③|カフェイン・アルコール・光などの外的要因
夜中の覚醒には、私たちの日常の習慣や環境要因も深く関係しています。
知らないうちに「目が覚めやすくなる行動」をとっていないか、チェックしてみましょう。
寝る直前のカフェイン・アルコール
- カフェイン(コーヒー・緑茶・紅茶など)
体内で6〜8時間作用するため、夕方以降の摂取は避けるのが無難です。
- アルコール(寝酒)
一時的に眠気を感じさせますが、深い睡眠を妨げ、中途覚醒を引き起こす原因になります。
就寝環境の問題
室温・湿度・音・照明・寝具──どれかが不快だと、眠りが浅くなり、途中で目覚めやすくなります。
特に明るすぎる照明・青白い光・物音・肌触りの悪い寝具などは、無意識の覚醒につながる可能性が高いです。
対策ポイント
- 就寝の3時間前からカフェインを控える
- 寝酒を避け、代わりにノンカフェインの温かい飲み物を
- 寝室は静かで暗く、快適な湿度・温度を保つ
「なぜか夜中に目が覚める」その原因は、ほんの小さな習慣や環境のクセにあるかもしれません。
よくある原因④|病気や疾患が関係しているケース
「生活習慣にも気をつけているのに、なぜか毎晩目が覚めてしまう」
そんな場合には、何らかの病気や身体の不調が背景にある可能性もあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠中に何度も呼吸が止まり、脳が目覚めてしまう病気です。
自分では気づきにくいですが、以下のようなサインがある人は要注意です。
- いびきが大きい、または止まる
- 日中に強い眠気を感じる
- 夜中に何度も目が覚めてトイレに行く
頻尿・膀胱トラブル
加齢や水分摂取のタイミング、泌尿器系のトラブルなどが原因で、夜間に排尿のため目が覚めるケースもあります。
寝る前2時間は水分量を控える、寝室からトイレまで明るすぎないようにするなどの工夫が対策になります。
うつ病・軽度のうつ状態
夜中に目が覚める・朝早く目覚めてしまうなどの睡眠の変化は、うつ状態の初期症状である場合も。
気分の落ち込み・興味の喪失・食欲の低下などが同時にある場合は、専門の医師に相談することをためらわないでください。
自分にとっての「原因」を見極めるには?
夜中に目が覚める要因は、人によって異なります。
まずは、自分の状態を客観的に確認するためのセルフチェックをしてみましょう。
夜間覚醒チェックリスト
- 夜中に目が覚める時間帯は毎回似ている(例:2〜3時)
- トイレに行ったあと、30分以上眠れない
- ストレスを感じている・考えごとが頭から離れない
- 寝つきも悪く、熟睡感がない
- 朝すっきり起きられず、日中ぼんやりする
3つ以上あてはまる場合は、睡眠の質が低下しているサインかもしれません。
改善の第一歩は「自覚」すること
自分の状態に気づき、「なんとなく変だな」と思えることがすでに回復の第一歩です。
我慢を続けるのではなく、原因を探りながら、少しずつ対応を変えていくことが、快眠への近道です。
よくある質問(Q&A)
- Q1. 夜中に目が覚めるのは「病気」のサインですか?
- A. 一時的な中途覚醒であれば問題ありませんが、毎晩のように目が覚める・日中に支障がある場合は、睡眠障害や他の疾患が関係していることもあります。
- Q2. 睡眠外来や心療内科に行くべきタイミングは?
- A. 次のような状態が1か月以上続いているなら、医療機関の受診をおすすめします:
- 週3回以上、夜中に目が覚めてつらい
- 朝まで眠れないことが増えた
- 日中の集中力低下・気分の落ち込みがある
- Q3. 原因がわからない場合はどうしたら?
- A. まずは「生活習慣の記録」をつけてみると、自分の睡眠リズムや刺激との関係が見えてきます。睡眠日誌なども有効です。
- Q4. 市販の睡眠サプリは効果がありますか?
- A. メラトニン・GABAなどを含む製品には一定の効果がある場合もありますが、体質やストレス要因によって効果は個人差があります。
- Q5. 寝る前におすすめの飲み物は?
- A. ノンカフェインで温かいものがおすすめです。カモミールティー、白湯、ホットミルクなどが代表例です。
まとめ|自分の「夜中の目覚め」と向き合ってみる
夜中に目が覚めてしまうと、「またか…」と落ち込んでしまうものです。
ですが、その原因には必ず何らかのヒントがあります。
ストレス、不安、ホルモンの変化、生活リズム、光、音、病気──
あなたの「眠り」を取り戻すために、少しずつでも環境や習慣を見直していくことが、とても大切です。
今日からできる3つの行動
- 寝る前のスマホ・カフェインを控える
- 朝は必ずカーテンを開けて、光を浴びる
- 眠れない日が続いたら、無理せず相談してみる
「眠れない夜」は、あなたを責めているわけではありません。
その夜を静かに受け止めて、自分の身体に寄り添ってみてください。
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お金もかからず、今夜から試せる方法としてはYouTube音楽があります。
眠れなくてお悩みの方は、気軽に試してみてください。
